El Japon -イスパニアのサムライ- 感想
- 作品全体感想
- 蒲田治道(真風涼帆さん)
- アレハンドロ(芹香斗亜さん)
- カタリナ(星風まどかさん)
- エリアス(桜木みなとさん)
- 藤九郎(和希そらさん)
- ドン・フェルディナンド(英真なおきさん)
- 西九郎(瑠風輝さん)
- 藤乃(遥羽ららさん)
- はる(天彩峰里さん)
- 支倉(寿つかささん)
作品全体感想
最後の10分くらい( ゚д゚)
というのが最初の感想←
和物であり洋物であり、シリアスでありコメディでもある。
相反するものを一応一つの作品として纏めあげた、カリフォルニアロールのような作品でした。(どんな感想だよ)
ハッピーエンドで楽しいんだけど、
無理矢理纏めました感が強いというか、カタルシスが薄いというか。
色んな要素を詰め込んでいる割りに繋ぎが弱いというか。
いや、終わり良ければすべて良し!!
ていうか最初からあのテンションのコメディ観てみたいよ!
まかキキコンビのコメディ超楽しそうだよ!誰か演出の先生よろしくお願いします!!
あとシリアス部分では話の構造がるろうに剣心とやたら被る。
最愛の妻を手にかけてしまった罪の意識に苛まれる幕末最強の剣客、剣心と
最愛の女性を結果的に見殺しにしてしまった罪の意識に苛まれる剣の達人、治道。
姉を殺した剣心を憎み続ける縁(強い)と、
姉を見殺しにした治道を憎み続ける藤九郎(強い)。
父の遺した道場を守り剣心に惹かれていくヒロイン薫と、
夫の遺した宿屋を守り治道に惹かれていくヒロインカタリナ。
愛する人を死なせてしまった罪をどう償うのかといったテーマや、
剣を極める者達の群像劇という要素もやたら被るなぁ...と思いながら観ておりました。
ではキャスト別に感想を
蒲田治道(真風涼帆さん)
主人公がカッコよくて幸せそうな笑顔で終われば全て良し!←
思えば真風さん体制の宙組はハッピーエンドな作品が多いですね。(例外WSSと異ルネ)
望海さんの死亡率と比べると対照的です。笑
剣士としてのシリアスな人間ドラマとラブロマンスとコメディと、色々ブチ込まれている役でまぁ大変そうな印象を受けましたが、一人の男を多面的に表現されている印象でした。
冒頭の着物の姿で剣を振るう姿実にふつくしい。
あと失意の中でスペイン娘と火遊び中?な悩ましい色気あるダンスシーンと、カタリナにダンスを教わるウフフなシーンのギャップ、カタリナと結婚すれば?と周りに勧められて照れているのが好き。
(そういえばポスター写真のテンガロンハット被ってなくない?)
アレハンドロ(芹香斗亜さん)
マカロニウエスタンてのが良く分からないんですが、良い人なんだけどアウトローな雰囲気がカッコ良い。治道とカタリナが語り合うのをちょっと離れた所から腕を組んで「ほーん」と聞いているのがカッコ良い。スペイン娘を従えてフラメンコ踊っているのも良い。
んで、最後盛大に全部持っていくっていう笑
あの気の抜けた「はーい」本当最高。
(木刀の治道に真剣で挑むのどうなん?ていうかスペインの剣術だと剣はレイピアで、よくしなる剣なので、木刀の斬撃を受けられないと思うんだけどそういう突っ込みは心の中にしまいます。)
カタリナ(星風まどかさん)
登場時は喪服姿に物憂げな表情、淡々とした歩みで銀橋を渡り、登場時の彼女が憂鬱の中ただ時間だけが過ぎている状況を伺わせますが、治道との交流が深まったあとの銀橋では少し浮き足立っていて、カタリナの心境の変化が伺えます。
まどかちゃんは、オーラメインで訴える芝居というより、彼女の仕草や表情を観客が読み取ることで、登場人物の心情や背景が分かる、論理的な芝居をされる方だなぁと思います。もちろんそれだけではなくて舞台人としての華やかさや伝わる感情もありますが。
エリアス(桜木みなとさん)
拗らせた子悪党、コテコテの悪役ときて今回はスカした子悪党。
スカしてるくせに自分から治道に絡みに行ってる辺り、治道の事大好きじゃん笑
という辺りがちょっと憎めないキャラクター。
殺陣シーンが多いのも美味しい。
個人的には爽やかキラキラ貴公子が似合うと思っているので、たまにはそんな役来ないかなーと思って壮麗帝のポスターに期待していたのですが...。
髭...髭なのか...。
あとこのポスターららちゃんが艶やかで麗しくて素敵。
藤九郎(和希そらさん)
多くの方が突っ込みを入れていますが、、
不法滞在者のままやんけーー!!!
突っ込むのも野暮なのでそれは置いておいて、、
冒頭の剣舞も殺陣も身のこなしが見事。
(素手で太刀を握るの危ないよ...という突っ込みは心の中にしまいます。)
主人公に対して屈折した感情を抱きつつ着いていく、という役所的にはオーシャンズ11のライナスと似ている部分もありますが、しっかり違うキャラクターを描きだしていてて良いなぁと思います。
ドン・フェルディナンド(英真なおきさん)
腹黒い子悪党の演技がさすが専科のプロ。やっぱりお芝居に一人こういう人がいると違うなぁと思います。
西九郎(瑠風輝さん)
こういう役だと上級生の松風さんや凛城さんが演じる事が多い気がしますが、貫禄や鷹揚さのあるお芝居で、治道の先輩として自然でした。
前作で宙組を支えてきた上級生達の退団がありましたが、若手がしっかり育っている印象です。
藤乃(遥羽ららさん)
ほぼ「治道様!」しかしゃべっていないですが、その声の可憐なこと!
新公ヒロインの頃より確実に可愛い。
壮麗帝で演じるヒュッレムは描き方によって計算高い妖艶な悪女だったり、偉大な帝王を支えた美しく賢い女性だったりしますが、彼女はどんなヒュッレムを見せてくれるのでしょう?
楽しみですね(とはいってもチケットの当てはない...涙)
はる(天彩峰里さん)
方言可愛い。他の日本人女の子達もそれぞれ違う地方の方言で可愛い。
娘役さんてヒロインとあと一人くらいしか目立つ役がない事が多いけど、こんな風に見せ場が多く、ストーリーにもしっかり絡んでくるの良いなと思いました。それはこの作品の良い所。
作中で「キリスト教徒以外は住めない」「日本人奴隷を働かせるのは違法」とされているけど、カタリナの宿屋で働くのも結局違法じゃね?という突っ込みは...野暮ですね。